自宅からのアクセスが重くて、ファイルの保存すら終わらない…
- 「自宅から会社のVPNにつなぐと、共有フォルダーのファイルを開くだけで何分も待たされる」
- 「テレビ会議をしていると、自分の映像や声が途切れて相手に迷惑をかけてしまう」
- 「ネットの検索は早いのに、会社のデータにアクセスした途端にすべてが重くなる」
リモートワーク(テレワーク)を導入したものの、会社とつなぐVPN(ブイピーエヌ)のスピードが遅くて仕事にならない……という声をよく耳にします。
今回は、IT初心者の方でもわかりやすいように、「VPNが遅くなる原因」と「今すぐできる快適化のアイデア」を紹介します!
この記事のポイント(要約)
- VPNが遅い原因は4点: オフィスのルーター(司令塔)のパワー不足、オフィス回線の渋滞、パソコン自体の性能不足、自宅Wi-Fiの電波の弱さです。
- おすすめの改善策: オフィス回線を高速な「IPoE(IPv6)」にし、パソコンは「Core i5 / メモリ8GB以上 / SSD搭載」を推奨。自宅は有線接続を試しましょう。
- 機器の押し売りリースに注意: 事業者契約はクーリングオフが適用されないため、高額なルーターやセキュリティ機器の即決は厳禁です。
そもそもVPNとは?
VPNは、一言で言うと「インターネット上の暗号化された秘密のトンネル」です。
自宅や外出先のパソコンとオフィスの間を、他の人に見られない安全な「透明のトンネル」でつなぎ、まるで社内にいるかのように安全にデータをやり取りできる仕組みです。
安全性が高い反面、データを細かく暗号化してトンネルを通す作業が必要なため、設備や回線の状態によって遅くなりやすいという特徴があります。
VPNが遅くなる4つの原因と対策
VPNが遅くなる原因は、大きく分けて「オフィス側」「自宅側」「パソコン側」のどこかにあります。
まずは原因と対策、それぞれの難易度やコストの目安をまとめた比較表をご覧ください。
| 発生している場所 | 主な原因 | 具体的な対策 | 対策コスト | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| オフィス(会社) | ルーターの処理能力不足 | オフィス向けのVPNルーターへの交換 | 約2万〜10万円 | ★★★(専門知識が必要) |
| オフィス(会社) | ネット回線の道路渋滞 | 高速な「IPoE(IPv6)」接続への切り替え | 月額数百円〜数千円 | ★★☆(回線会社へ要問合せ) |
| 自宅(スタッフ) | 自宅のWi-Fi電波が弱い | 有線LAN接続の導入、ルーターの位置見直し | 0円〜約5,000円 | ★☆☆(今すぐできる) |
| パソコン | パソコンの性能(スペック)不足 | パソコンの買い替え(Core i5/メモリ8GB/SSD) | 約8万〜15万円/台 | ★★☆(機器選定のみ) |
それでは、各原因の詳細と具体的な対策を解説します。
原因1:オフィスの「交通整理の司令塔」がパワー不足
オフィスでインターネットの交通整理をしているのが「ルーター」です。
このルーターは、オフィスの「交通整理の司令塔」としての役割を持っています。
自宅からVPNでアクセスされるたびに、この司令塔は「暗号化されたデータを元に戻す」という非常に頭を使う作業を行います。
同時に何人ものスタッフがVPNで接続すると、司令塔の頭脳が追いつかずにパンクしてしまいます。
- 対策:
- 社内の接続人数に見合った、処理能力の高い「VPN対応ルーター(交通整理の司令塔)」に交換することを検討しましょう。特に、家庭用ルーターをオフィスで使っている場合は、処理能力不足になりがちです。
原因2:オフィスのネット回線(道路)が渋滞している
オフィスのインターネット回線そのものが細かったり、混雑しやすい接続方式(従来のIPv4 PPPoE方式など)を使っていると、そこでデータが渋滞してしまいます。
- 対策:
- ネットの接続方式を、混雑しにくい最新の高速道路である「IPoE(IPv6)接続」に切り替えるのが非常に効果的です。また、会社の回線プランを見直すことも検討しましょう。
原因3:パソコンの性能(スペック)が低い
実は、使っているパソコンの性能が低いことも、VPNの速度に影響します。
データを暗号化して秘密のトンネルを通すためには、パソコン自身も一生懸命頭を働かせる必要があります。
私たちのサポート現場でも、「自宅からのVPNが異様に遅い」というご相談を詳しく調べたところ、オフィスや自宅の回線ではなく、テレワーク用に配布された数年前の格安パソコン(メモリ4GB)がボトルネックになっていた、というケースが非常に多く見られます。
パソコンの性能は、以下のように例えられます。
* CPU(頭脳の良さ): パソコンの頭の回転の速さ。ここが低いと、暗号化の計算に時間がかかります。
* メモリ/RAM(机の広さ): 仕事をする作業スペース。机が狭いと、一度にたくさんの作業ができず動きが遅くなります。
* SSD(引き出しの大きさ): データをしまっておく引き出し。HDDではなく「SSD」なら引き出しの開け閉めが一瞬で行えます。
- 対策:
- リモートワーク用のパソコンは、CPU(頭脳の良さ)がIntel Core i5やRyzen 5以上、メモリ(机の広さ)が8GB以上、ストレージがSSD(引き出しの大きさ)のものを使うのがおすすめです。
原因4:自宅のWi-Fi電波が弱い
オフィスの設備が万全でも、自宅のネット回線やWi-Fiの電波が弱いと、そこでトンネルが詰まってしまいます。
- 対策:
- 自宅のWi-Fiルーターの近くで作業するか、思い切ってLANケーブルで有線接続してみましょう。これだけで劇的に安定します。
⚠️【要注意】悪質な業者による高額リース契約に気をつけて!
「VPNの調子が悪い、遅い」と困っていると、「今のルーターやセキュリティ機器(UTMなど)が古いせいです」「これを導入すれば一発で解決します」と、高額な機器のリース契約を迫ってくる業者が現れることがあります。
ここで非常に大事なルールをお伝えします。
会社名義や個人事業主としての「事業者契約」は、法律で定められた「クーリングオフ(無条件での契約解除)」の対象外です。
オフィスのITサポートや機器の契約は、個人向けの買い物と違って「クーリングオフが使えない」ため、騙されたと気づいても解約できません。
5〜7年の長期リースで総額数百万円の契約をさせられる被害が後を絶ちません。
「今だけ限定」「今契約しないと危険」などと急かされても、その場で絶対にサインせず、信頼できるパートナーや他の業者に相談してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 自宅のネット速度が速いのに、VPNを繋ぐと著しく遅くなるのはなぜですか?
A. 自宅の回線単体では速くても、オフィスのルーター(交通整理の司令塔)の処理能力が低かったり、オフィス側の回線が混雑していたりすると、そこで全体の通信が詰まってしまうためです。会社の環境も確認してみてください。
Q. VPNは繋いだままで仕事をしていても大丈夫ですか?
A. 社内システムや共有フォルダーを使う必要がない業務(単なるネット検索や、外部のクラウドサービスでの作業など)のときは、VPNを切断した方がパソコンやネットワークの負担が減り、動作が快適になります。
まとめ
VPNが遅いときは、どこが「渋滞のボトルネック」になっているかを見極めることが大切です。
オフィスのルーターや回線の見直し、自宅での有線LAN接続、パソコンのスペック強化など、怪しい部分から一つずつ改善を図りましょう。
今すぐできるアクション
まずは、あなたの「自宅のネット速度」を測ってみましょう。
- ブラウザで「インターネット速度テスト」と検索し、測定ボタンを押してみてください。
- 速度(ダウンロード・アップロード)が 30Mbps 以下の場合、VPNが遅い原因は会社の設備ではなく、自宅のネット環境にある可能性が高いです。
自宅の速度が十分出ている場合は、オフィスのルーターやPCのスペックなど、会社側の改善を検討してみてくださいね!




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